新型コロナウイルスの蔓延により、除菌が注目されています。
除菌というと、アルコールが有名ですが、アルコールは匂いや、手荒れなどがあり苦手という方も多いようです。
そこで注目されているのが、「次亜塩素酸水」です。
目次
次亜塩素酸水とは
次亜塩素酸水は、一般的に塩酸もしくは塩化ナトリウム水溶液(食塩水)を電気分解して作られる物です。
厚生労働省よりさまざまな専門分野での使用が認可されていて、例えば、医療分野では医療機器の消毒に、食品分野では「殺菌料」として野菜や調理器具の消毒、あるいは野菜の色を維持するために使われています。
ちなみに、食品に使用するときは、商品に次亜塩素酸水が残らないことが求められますので、店頭で購入するカット済みの野菜や果物、サラダなどの加工品には、成分はまったく残っていません。(除菌目的で市販されている次亜塩素酸水は食品添加物ではないため、食品には使用できません)。
農業分野においても、2014年に特定防除資材(特定農薬)として、2017年には有機栽培資材として農林水産大臣と環境大臣から認可・指定を受けています。つまり、次亜塩素酸水は「人体にとって安全である」ことを公的に認められています。
次亜塩素酸水はその製造方法から一般的に電解水と呼ばれていますが、食品添加物の指定を受けた際に、次亜塩素酸水として命名されました。そのため、食品添加物として扱う際には次亜塩素酸水の名称となるようです。
確実な殺菌効果を得るためには、「使用する前に必ず有効塩素濃度を確認する」「洗浄・消毒する物の汚れをあらかじめ十分に除去した後、次亜塩素酸水の流水下で消毒を行う」ことが重要とされています。
安全性
急性毒性、反復投与毒性、遺伝毒性、皮膚累積刺激性試験、眼刺激性試験などの試験の結果、異常がないことが確認されています。
次亜塩素酸水の選び方
さまざまな効果が知られるようになった次亜塩素酸水は、数多くの製品が出回っています。商品名こそ同じ次亜塩素酸水であっても、本来の除菌・消臭効果を発揮しない物も存在しているのが現状です。ウェブサイトや店頭で次亜塩素酸水を選ぶときは、次のポイントをチェックするようにしましょう。
・成分や濃度、製造方法の表示
それぞれの成分(有効塩素)量を比べ、pHの濃度を見ると、除菌能力の強さを知ることができます。使用目的に合わせた濃度の次亜塩素酸水を選びましょう。
・製造年月日、保存期間の表示
除菌や消臭効果の保持期間が長いということは、それだけ長く使えることを意味します。期間が数ヵ月程度と短い物は、それだけ効果が失われるのが早いため、いざというときに使えない(効果がない)場合があります。また、次亜塩素酸水は、日光にさらされると劣化するので、遮光性容器に入れて保管することも重要です。
次亜塩素酸水のおもな使い道
市販されている次亜塩素酸水の多くは、原液を希釈して使うようになっています。具体的な用途は、おもに以下のようなものがあります。
・ウイルス対策
次亜塩素酸水は、ノロウイルスやインフルエンザウイルスの不活化に高い効果を示します。ウイルスが付着した場所にスプレーで噴射し、時間を空けて拭き取ることで対策を行うことはもちろん、衣服や食器などを次亜塩素酸水に浸けてウイルスを不活化することもできます。
名前がよく似ている次亜塩素酸ナトリウムもウイルスの抑制効果を持ちますが、こちらは強いアルカリ性のため、肌につくとたんぱく質が溶ける、金属を腐食させるといったマイナス面があります。弱酸性で人体に優しい次亜塩素酸水のほうが、安心して使えるメリットがあります。
・アレル物質の除去
ダニや花粉に含まれるアレルギー症状を引き起こす「アレル物質」の除去にも、次亜塩素酸水は高い効果を示します。アレル物質が付着した衣服や鞄、室内に噴霧(スプレー)する方法が効果的で、特に花粉症の人にとってありがたいアイテムとなります。
・家内の除菌と消臭
次亜塩素酸水には、さまざまな細菌を不活化する除菌効果があります。生乾き臭菌、靴下のにおいや加齢臭、肉や魚の腐敗臭、生ゴミのにおい、おむつやペットのにおいの臭気を減らす効果が認められています。
次亜塩素酸水の使い方
室内空間除菌(加湿器・噴霧器)での使用法
加湿器・噴霧器の中に次亜塩素酸水を入れて噴霧させると空間の除菌・消臭に有効です。そのため、外部からの菌の持ち込みによる感染のリスクを大きく減らすことができます。また、加湿器タンク内の除菌もできます。
部屋の広さ、噴霧時間、人の出入りによって濃度を調整ください。
※次亜塩素酸水の濃度50ppm(0.005%)の場合: 1~3倍(次亜塩素酸水1Lに対して水最大2L)に希釈してご使用ください。
※次亜塩素酸水は医薬品ではありません。そのため全てのウイルス、菌を除菌するものではありません。
使用環境により効果が異なる場合があります。
ただし、加湿器で使用する場合には注意が必要です。
次亜塩素酸は、紫外線(光)や熱に弱いため、超音波式加湿器や気化式以外の機器では次亜塩素酸が分解され、本来の効果が得られません。
また、気化式に関しては、フィルターなどの種類によっては次亜塩素酸が多少分解されるため、できれば超音波式がオススメです。
消臭目的での使用法
〇マスクの除菌・消臭に
→ 付着した菌が気になる方は、次亜塩素酸水を洗面器などにため、マスクを30秒以上浸します。その後よく乾かしてお使いください。
→ ニオイが気になる方は、「次亜塩素酸水」スプレーで、シュッとひと吹きして、乾かす。
〇スニーカーやシーツなどの布製品が臭い、ペット用品などが臭い。
→ 「次亜塩素酸水」スプレーで、シュッとひと吹きして、乾かす。
〇ゴミ箱が臭い
→ 「次亜塩素酸水」スプレーで、ゴミに直接シュッとひと吹き
〇テーブルやドアノブの菌・ウイルスが気になる
→「次亜塩素酸水」スプレーをシュッとひと吹きし、布等で拭き上げてください。
※水ぶきできない家具や電化製品等、水ジミができやすい衣類等の除菌には、おすすめできません。